まいまいつぶろ - 四十の日差し日記

家重と忠光の友情に感動したとの声多し

『まいまいつぶろ』の魅力

村木嵐の『まいまいつぶろ』は、第九代将軍徳川家重を描いた歴史小説です。家重は口が回らず、言葉が誰にも伝わらないため、「まいまいつぶろ（カタツムリ）」と呼ばれて蔑まれていました。しかし、彼は幕府の財政状況を改善するために、宝暦治水工事を命じるなどの深謀遠慮を持っていました。

この作品は、家重の内面の葛藤と彼を支える小姓・兵庫（後の大岡忠光）との絆を描いています。時代のうねりの中で、将軍の言葉を代弁し続けた兵庫の献身と、家重の孤独な戦いがテーマになっています。障害や身分の壁を越えて生き抜く彼らの姿が読者の心を揺さぶります。

読者からは、家重と忠光の友情に感動したという声が多く寄せられています。家重の人柄やその深謀遠慮が新たに評価され、歴史観が変わったとの意見もあります。特に、家重が忠光に最後に伝えた言葉に感動したというレビューが多く見られます。

『まいまいつぶろ』は、歴史の中で埋もれていた人物に光を当て、その人間性と深謀遠慮を描き出すことに成功しています。村木嵐の筆致は、登場人物の内面を繊細に描き出し、読者に深い感動を与えます。

『まいまいつぶろ』は、歴史好きの方や人間ドラマに興味がある方にとって必読の一冊です。将軍徳川家重の新たな一面を発見できるこの作品は、時代小説としても非常に読み応えがあります。