『なんで人は青を作ったの?―青色の歴史を探る旅』は、谷口陽子氏と髙橋香里氏による著作で、2025年1月14日に新泉社から刊行されました。 本書は、「13歳からの考古学」シリーズ第5弾として、青色の歴史と人類の探求をテーマにしています。
物語は、運動が苦手で人見知りの中学1年生・蒼太郎と、運動神経抜群でお調子者の同級生・律が、化学者の森井老人の指導のもと、人類がどのようにして「青色」を手に入れたのかを解明する壮大な実験に挑む姿を描いています。自然界で顔料として使用できる青色の鉱物は非常に稀少であるため、古代から人々は銅や酢、牛の血など、身近な材料を用いて高価な青色を作り出す工夫を重ねてきました。本書では、そうした人類の探求の歴史を、蒼太郎と律の視点から追体験することができます。
具体的には、人類最古の合成青色であるエジプシャンブルーや、インディゴ染料から作られたマヤブルー、廃棄物から生まれたプルシアンブルーなど、多様な青色の再現実験が紹介されています。また、中世ヨーロッパの錬金術師たちが青色を求めて試行錯誤した歴史や、古墳時代の日本で鉄分の多い粘土を用いて青や緑を作り出した技法など、青色にまつわる多彩なエピソードが綴られています。
著者の谷口陽子氏は、筑波大学人文社会系歴史・人類学教授で、保存科学・考古科学を専門とし、エジプトやバーミヤン、カッパドキアなど多くの遺跡の修復に携わっています。髙橋香里氏は、SOMPO美術財団・保存修復準備室リーダーで、油彩画の保存修復を専門としています。また、イラストを手掛けたクレメンス・メッツラー氏は、ドイツ出身のプロのイラストレーターで、現在は名古屋在住です。
本書は、青色の歴史や化学に興味を持つ中高生だけでなく、一般の読者にも楽しめる内容となっています。青色を巡る人類の探求の旅に、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
