ユーモアとやり取りが優しさを醸し出し、読み心地が良い作品
『襷がけの二人』の魅力
あらすじ
嶋津輝の『襷がけの二人』は、激動の戦前戦後を生き抜いた二人の女性、千代と初衣の絆を描いた大河小説です。物語は、19歳の千代が親の決めた縁談で製缶工場を営む裕福な山田家に嫁ぎ、その家の女中頭である元芸者の初衣と出会うことから始まります。裕福な家庭の若奥様である千代と、山田家の女中頭として仕える初衣の間に育まれる友情と連帯が物語の軸となっています。
テーマ
本作の大きなテーマは、女性同士の連帯と成長です。二人の女性が家庭や社会の中でどのように自分の役割を見つけ、成長していくのかが描かれています。また、当時の最先端料理や家庭の風景が詳細に描かれており、台所の匂いや音が伝わってくるような臨場感が作品に深みを与えています。
読者の感想
読者からは、千代と初衣の間に育まれる温かい関係が高く評価されています。彼女たちのユーモアとやりとりが作品全体に流れる優しさを醸し出し、読み心地の良さが評判です。また、戦争に向かう時代の中で、女性たちがどのように自分の道を切り開いていくかが描かれており、感動的なエピソードが多数あります。
作品の意義
『襷がけの二人』は、激動の時代に生きた女性たちの強さと絆を描いた作品です。嶋津輝の初長編として、リアルな描写と心温まる物語が多くの読者の共感を呼んでいます。大正から戦後にかけての日本を舞台に、女性の生き方や家族の在り方を問いかける意欲作です。
『襷がけの二人』は、女性の連帯や成長に興味がある方、また戦前戦後の日本に興味がある方にぜひ読んでいただきたい作品です。
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